2006年09月11日

ビデオというメディウム(2)

ビデオアートはフィードバックにひとつの特性をもっている。言い換えれば、「瞬時のリプレイ」だ。そしてクラウスの言及には次の言葉が挿入されている。「事実、このリプレイの外では字義通り現実に存在しないような作品の創造なのである」。だがビデオ・アーティストたちの作品はこの永続するループに亀裂を入れるような、三つの作例を提示しているという。

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2006年09月03日

ビデオというメディウム(1)

 『オクトーバー』誌は1976年の春号が創刊号で、*1そこでクラウスは「ビデオ:ナルシシズムの美学」という論考を寄せている*2。アネット・マイケルソンとの共同主催としてこの雑誌を立ち上げたクラウスは、映画とは別に、70年代に一般に普及しつつあったビデオという新しいジャンルの分析を試みている。

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2006年02月28日

DR9 拘束と解放

現在渋谷のシネマライズでマシュー・バーニーの映画「拘束のドローイング9」が上映中ということで、久々にバーニーについて。

8月に金沢で見て以来半年がたつわけで、ここでは記憶とメモ書きをもとに映画をまとめつつ、少しバーニーについて考えてみたい。

「拘束のドローイング」展カタログ


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2006年01月03日

ビル・ヴィオラの「微細なもの」

森美術館の年間スケジュールに、ビル・ヴィオラ展が掲載された。今年10月から開催されるという。これまで注目されながらも(ビデオ・アーティストとしては巨匠にすら位置付けられているにもかかわらず)、大規模な個展が開かれることがついぞなかった。そういった意味で、今から楽しみな展覧会だ。

ビル・ヴィオラといえばスローモーションの映像を2メートル前後の大きなスクリーンに映す手法が特徴的だが、そのどれもが映像を扱っていながらも、絵画形式を踏襲している。《Nantes Tryptich(ナントの三連祭壇画)》(1992)は、三つのスクリーンに「出産する女性」「水中の男性」「死に瀕した老女」を映した映像作品だが、祭壇画という伝統形式をその下地にするという、内容と形式の齟齬(移りゆく〔エフェメラルな〕映像と、アウラを前提とした不動の宗教形式)が表されている。

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2005年11月20日

ゴダールの引用/レヴィナス

ゴダール『アワーミュージック』を見る。早朝、その日の第一回目を見て、ゴダールらしさとゴダールらしからなさ、の両面を感じた。全体の評はまた後に書こうと思う。

パンフレットを買って気がつくこと。ゴダールの引用癖は相変わらずだと思ったが、そのなかにエマニュエル・レヴィナスが二回引用されている。『時間と他者』と『われわれのあいだで』のふたつ。家に帰ってレヴィナスを引いてみる。僕の持っているのは『時間と他者』だ。引用されていた箇所は以下の通り。

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2005年10月30日

爆音ゴダール

吉祥寺バウスシアターで開かれていた
「爆音ゴダールナイト」、行って来ました。
この企画はもともと音響にこだわったゴダール映画を
もっと楽しんでもらおうと音量を上げて上映するという、
なんだか血湧き肉踊る特集なのだ。

金曜に見たのは『ヌーヴェルバーグ』(1990)
うーんライブに行ってきた感覚。
カラスの鳴き声が超特大。びくついてしまった。
確かにゴダールは爆音がいいかも。

「言葉でなく、物である」(『ヌーヴェルヴァーグ』)

nouvellevague.jpg

ああ、『右側に気をつけろ』が見たかったなぁ。
この企画はVol.2も開かれるという。

そうそう、バウスのこの次は「テオ・アンゲロプロス特集」だった!
アンゲロプロスは『ユリシーズの瞳』の監督です。
これも見たい。
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