2006年01月18日

絵画の準備を?(1)

ready_p.jpg 週末にバタイユに関するレクチャーを聞きに青森に行ったこともあって、本を読む契機が関心とは別の方向へ流れていたけど(実際僕にとってバタイユが本質的なものじゃないと思い至った、という点で有意義ではあったが)、今日はその反動に見立てて岡崎乾二郎、松浦寿夫両氏の『絵画の準備を!』を読み始めた。ひとまず一章「純粋視覚の不可能性」を読み終える。


 対談形式で進む本書はこの手の本にしては比較的読みやすいが、忌憚なく話す両氏の会話は痛快で、それゆえ麻薬にも近い刺激が逆に警戒心を育むことにもなった。岡崎氏の発言は無反省に受け入れてしまいそうになる明快さがある。松浦氏の発言が少ないのは、そうした岡崎氏のカリスマ性に思わず聞き手に回ってしまう所作ゆえだろう。だから本書はほぼ岡崎氏の著作と言ってもいいかもしれない。相変わらずのカント主義的見解が10年以上前の対談にも現れているものの、問題提起としては鋭い点が多かった。本書が人口に膾炙する理由はそこにあるのか。ともあれ論点のいくつかを挙げて、あれこれ考えてみたい。

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2005年12月31日

シルス

『ゲルハルト・リヒター:シルス』。1992年、スイス東南部、シルス村。険しい山脈と湖に囲まれたこの小さな村で、ささやかな展覧会が開かれた。ニーチェゆかりの地としても知られているこの場所で、ニーチェ・ハウスと呼ばれる館で開かれた展覧会は、ニーチェ、リヒター、そしてこの企画をたてたハンス・ウルリッヒ・オブリストという三人がくしくも邂逅することとなる。

richter_sils.jpg


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